SOHOとは?事務所(オフィス)との違いや物件の探し方を解説
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近年、新しい働き方として注目を集めているフリーランス。リモートワークやテレワークといった言葉が頻繁に聞かれるようになった現在では、フリーランスという働き方もかなり一般的になりました。
フリーランスは通勤の必要がなく、仕事時間や内容を自分で決められるメリットがある一方で、仕事場を自分で確保しないといけません。もちろん、お気に入りのカフェを仕事場にするノマドワーク的な働き方も可能ですが、毎日カフェに通うとなると飲食代や交通費などの出費もかなりの金額になります。
そこで有力な選択肢となるのが、今回ご紹介するSOHOです。
この記事ではフリーランスや個人事業主の方に向けて、SOHOの意味や事務所(オフィス)との違い、利用時の注意点を解説します。さらに、具体的なSOHO物件・オフィス物件の探し方も詳しく解説していきます。
賃貸オフィスの契約費用
SOHOとオフィス(事務所)の具体的な違いを簡単な表にすると、次のようになります。
SOHOとオフィスの違い
賃貸契約の形態 | 認められる仕事(業種) | 認められない仕事(業種) | |
---|---|---|---|
SOHO | 住居契約 | 特定の人の出入りしかない業種 (ネット関連職の個人事業主など) | 不特定多数の人が出入りする業種 (飲食業や販売業など) |
オフィス (事務所) | 事務所契約 | 基本的には制限なし | 基本的には制限なし |
次に、それぞれの違いについてさらに詳しく見ていきましょう。
SOHO物件は「住居契約」、オフィスは「事務所契約」
SOHOとオフィスの一番大きな違いは賃貸契約の形態の違いであり、SOHOの場合は「住居契約」、オフィスの場合は「事務所契約」になります。 つまり、今住んでいる自宅を仕事場とするSOHOの場合、物件契約時の賃貸契約は『そこに住むことを前提とした契約』である「住居契約」となっているはずです。
一方、最初からオフィスとして物件を賃貸する場合はこの契約が「事務所契約」となり、寝泊まりや24時間の利用は不可となるのが一般的です。
また、「住居契約」と「事務所契約」では税金面でも違いが見られます。たとえば「事務所契約」をしている場合の家賃は消費税の課税対象となるため割高になるのがデメリットです。しかし、法人登記ができたり看板や表札などを使った宣伝広告が自由にできたりといったメリットもあります。
一方、「住居契約」はあくまで住むことを前提とした契約です。そのため、家賃に消費税はかからず仕事で使う部分を按分(あんぶん)※ して経費計上できるなどのメリットがあります。法人登記や、看板・表札の設置ができない所が多いといったデメリットがあります。
※按分とは、フリーランスなどの個人事業主が確定申告をする際に使用する計算方法の一つです。SOHOで自宅兼事務所としている場合において、事業に関係する家賃や光熱費などを、1日の仕事時間や仕事場として使っている部分の専有面積をもとに、事業用と個人用に分けて算出します。
ちなみに、個人事業主の方のなかには、法人ではなく個人として「事務所契約」する場合は課税されないと考えている方もいるかもしれませんが、それは間違いです。法人・個人に関係なく「事務所契約」をしている場合には課税対象となります。
SOHO物件で認められる仕事
SOHO物件で認められるのは、不特定多数の人が出入りしない仕事です。ライター、エンジニア、プログラマー、デザイナー、編集者など、来客のあまりない業種が挙げられます。 また、このような職種・業種は、パソコンとネット環境さえ整っていればほとんどの仕事ができるので、特にSOHOに向いているといえるでしょう。
SOHO物件では認められない仕事
SOHO物件として認められないのは、不特定多数の人が頻繁に出入りする仕事です。具体的な業種としては、飲食業や販売業などが挙げられます。
前述したように、自宅兼仕事場となるSOHO物件の場合、契約形態はあくまでも「住居契約」であり、その物件に住んでいるほかの居住者も当然『そこに住むために』契約している人たちばかりです。そのような状況で、多くの人の出入りがある仕事を始めると、ほかの居住者は落ち着いて暮らせなくなってしまいます。このような理由から、不特定多数の人の出入りがある職種はSOHO物件では不可とされているのです。
SOHOのメリット・デメリット
SOHOとしての働き方やSOHO物件には、それぞれ以下のようなメリット・デメリットがあります。
はじめに、SOHOとしての働き方のメリット・デメリットを見ていきましょう。
【SOHOとしての働き方のメリット】
- 自分好みの仕事環境が構築できる
- 1日の労働時間や時間帯、休日、仕事の内容、仕事量などを自分の裁量で決められるためマイペースで働ける
【SOHOとしての働き方のデメリット】
- 毎月決まった給料がもらえるわけではないため、収入が不安定になりやすい
- 本業以外の業務(仕事を獲得するための営業活動や経理業務など)も自分でおこなう必要がある
- 仕事とプライベートの切り替えが難しい
次に、SOHO物件(「住居契約」の場合)のメリット・デメリットを見ていきましょう。
【SOHO物件のメリット】
- 自宅兼事務所とする場合は、毎月の家賃や初期費用が抑えられる
- 寝泊まりが自由にできる
【SOHO物件のデメリット】
- 法人登記ができない所が多い
- 看板や表札を自由に設置できない所が多い
- 間取りや電気・電話回線などがビジネス向きでない場合が多い
SOHOを始める際には、上記のようなメリット・デメリットも考慮に入れたうえで慎重に検討することを推奨します。
SOHO物件を探すには?
SOHOを始める際には、まず仕事場を決める必要があります。仕事場の候補としては、以下の3つの方法が挙げられます。
- 現在の自宅を仕事場と兼ねる
- 新たにSOHO向け物件を探す
- レンタルオフィスやコワーキングスペースを利用する
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
1. いまの自宅をそのまま仕事場として使う
現在住んでいる自宅をそのまま仕事場とする方法です。この場合、仕事の業種によっては不可の場合もありますが、上記でご紹介したようなライターや編集者、デザイナーなどパソコンとネット環境があれば完結し、人の出入りも少ない仕事ならほとんど問題ありません。新たに物件を探す手間もかからず、開業資金も少なく済むため、SOHOとしては一番楽な方法です。
2. 賃貸情報サイトでSOHO向け物件を探す
現在住んでいる自宅ではなくSOHO向け物件を新たに借りる場合は、賃貸情報サイトでSOHO向け物件をチェックしてみましょう。大手の賃貸情報サイトのなかには、SOHO向け物件コーナーが設けられている場合もありますし、最近ではSOHO利用に特化した賃貸情報サイトも多いです。
SOHO向け物件を選ぶ際には、「仕事に集中しやすい間取りかどうか」「ネット回線の種類やスピード、電気容量や配線などがビジネスユースにも対応可能かどうか」といった点のチェックを忘れないようにしてください。
3. 住宅契約では都合が悪い仕事内容ならオフィス物件を探す
前述したように、SOHOでおこなう業種が不特定多数の人の出入りを頻繁に伴うものである場合は、原則として「住宅契約」はできません。このような場合は、「事務所契約」可能なオフィス物件を探す必要があります。
「事務所契約」は初期費用が高くなりがちで、毎月の家賃が消費税の課税対象となるデメリットはあるものの、オフィスビルに入居できる、共用スペースが充実しているなど「住居契約」物件にはないメリットもあります。
【その他】レンタルオフィスやコワーキングスペースという選択肢もある
「SOHO物件も事務所(オフィス)物件も、自分の理想とする仕事場とはなんとなく違う」
そのような方にオススメしたいのが、レンタルオフィスやコワーキングスペースの利用です。
レンタルオフィスとは、業務をおこなう際に必要となるオフィス家具やOA機器などの備品や、電話・インターネット回線設備などを備えた貸事務所のことです。なかには電話応対や秘書代行サービスまで請け負っているところもあります。また、レンタルオフィスを利用している場合は、オフィスの住所を使った法人登記ができるのも見逃せないメリットといえるでしょう。
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コワーキングスペースとは、レンタルオフィスのような貸事務所形式ではなく、不特定多数の人々が一つの仕事場をシェアして使うスタイルです。コワーキンスグペースはレンタルオフィスのように個室区分されておらず、仕事場全体がオープンスペースとなっているケースがほとんどです。
SOHO物件・オフィス物件ともに、賃貸する場合はある程度まとまった費用が必要なため、家賃や共益費、水道光熱費といった毎月のランニングコストもかかります。
それに対してレンタルオフィスやコワーキングスペースは、初期費用や毎月のランニングコストを抑えられ、掃除などのメンテナンスが不要で、入居後すぐに仕事を始められるといったメリットがあります。
レンタルオフィスやコワーキンスペースも、これから新しく事業をスタートする場合に適しているため、SOHO物件や事務所(オフィス)物件とあわせて検討してみてください。
まとめ
SOHOとは、「ITもしくはICTを活用して事業をおこなっている10名以下の組織」と定義されていますが、実際にはそのような働き方、そのためのワークスペースのことを表しています。この記事では主にワークスペースとしてのSOHOについてご紹介してきました。
SOHO物件を探す際には、まず、賃貸契約を「住居契約」「事務所契約」のどちらにするのかを決めなければなりません。ここでもう一度、「住居契約」「事務所契約」の違いを表で見てみましょう。
SOHOとオフィスの違い
賃貸契約の形態 | 認められる仕事(業種) | 認められない仕事(業種) | |
---|---|---|---|
SOHO | 住居契約 | 特定の人の出入りしかない業種 (ネット関連職の個人事業主など) | 不特定多数の人が出入りする業種 (飲食業や販売業など) |
オフィス (事務所) | 事務所契約 | 基本的には制限なし | 基本的には制限なし |
家賃への消費税課税の有無や法人登記の可否などの違いもあるため、この記事でご紹介した内容をもとに熟慮されたうえで物件を探してみましょう。
また、「これから新しく事業を始める」「整った環境で仕事したいが、コストはなるべく抑えたい」といった方には、SOHO物件と事務所(オフィス)物件の間であるレンタルオフィスやコワーキングスペースもぜひ候補に入れてご検討ください。
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