コワーキングスペースとは?メリット・デメリットから選び方まで
フリーランスやリモートワーカーを中心に、コワーキングスペースの需要が高まっています。当記事では、コワーキングスペースの概要や、メリット・デメリットなどを解説します。選び方も把握して、自分に最適な環境で働けるようにしましょう。
職場でもなければ家でもない「サードプレイス」として、現在はコワーキングスペースがさまざまな場所で見受けられます。コワーキングスペースという名前を聞いたことがあっても、実際にどういったことができる場所なのか、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
当記事では、コワーキングスペースの概要について、メリット・デメリットや選び方やコワーキングスペースと似た施設である「シェアオフィス」との違いを解説します。コワーキングスペースやシェアオフィスの利用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
コワーキングスペースとは?
コワーキングスペースとは、1つの空間や施設を個人や企業で共有するサービスの総称です。施設内にはフリーアドレス形式のワークスペースが用意されており、基本的には自分の好きな場所で作業を行えます。多くのコワーキングスペースは、非常に開放的でカフェに近いイメージです。
コワーキングスペース(Co-Working Space)の特徴は、言葉の意味を考えると非常によく分かります。コワーキングの「Co」は、「共創」を指す言葉です。このことから、コワーキングスペースには、その場に集った人との共創やコミュニティ形成に重点を置くという特徴があります。
料金プランは、月額制とドロップインの2種類が一般的です。施設によっては、「ドロップインの利用は平日のみ」といった制限があるところも見られます。
コワーキングスペースの基本的な設備・機能
コワーキングスペースの基本的な設備、および機能の一例は以下の通りです。
・Wi-Fi パソコンやスマホで仕事をする場合、Wi-Fi環境は必須です。施設ごとで速度の速さや安定性は異なるものの、仕事に支障が出るほどインターネット環境が悪いということは、ほとんどないと言えます。 ・フリードリンク 利用者が無料で利用できるフリードリンクを用意する施設もあります。コーヒーや紅茶などが用意されている他、中にはバーが併設されているなど、利用者同士の交流が生まれるきっかけにもなります。 ・法人登記 特に個人事業主の場合、名刺などに記載する住所を自宅にすることは、プライバシーの観点から避けたい人も多いでしょう。住所を利用した法人登記ができる施設であれば、コワーキングスペースの住所を利用することができます。 ・キッチン 大きめのコワーキングスペースでは、キッチンが用意されていることもあります。例えば、「利用者が持ち込んだ食材を使ってパーティーを実施したい」と思った際にも、キッチンが付帯されたスペースを新たに借りなくていいので、何かと便利と言えるでしょう。 |
コワーキングスペースとシェアオフィスの違い
シェアオフィスとは、1つの施設や空間を個人や複数企業が共有できるオフィスの総称です。広い意味では、先述のコワーキングスペースもシェアオフィスに含まれます。
作業場所については、自由に選択可能なフリーアドレス席の他に、パーテーションで仕切られた一人用の固定席も用意されていることが一般的です。料金システムは月額プランが中心ですが、中にはドロップインで利用可能な施設もあります。固定席を月額契約した場合、各席に備品や書類を自由に置き続けられるシェアオフィスもあります。
コワーキングスペースとシェアオフィスの違いを以下にまとめました。
特徴 | 機能 | 料金 | |
コワーキングスペース | ・複数人でオフィススペースを共有(シェアオフィスの一種) ・コミュニティづくりや共創を重視 | ・ワークスペースの利用 ・オフィス備品の共同利用(デスク・有線/無線LAN環境・複合機・ホワイトボードなど) ・会議室の利用 ・キッチンスペースの利用 ・オフィス不在時の電話やFAX対応 ・郵便物の転送 ・法人登記(一部サービスが有料オプションの場合もある) | ・月額利用、あるいはドロップイン ・相場は一時間:500円~、一日:2,000円~程度(※ドロップインの料金相場は、地域や立地、規模によって開きがある) |
シェアオフィス | ・複数人でオフィススペースを共有 | ・ワークスペースの利用 ・オフィス備品の共同利用(デスク ・有線無線LAN環境 ・複合機 ・ホワイトボードなど) ・会議室の利用 ・オフィス不在時の電話やFAX対応 ・郵便物の転送 ・法人登記(一部サービスが有料オプションの場合もある) | ・月額コースが主流(中にはドロップイン可能な施設もある) ・月額コースの料金相場は固定席:10,000円~60,000円程度、自由席:5,000円~30,000円程度(※月額プランの相場は、地域や設備、規模によって開きがある) |
コワーキングスペースのメリット・デメリット
コワーキングスペースの利用が進んでいる理由・背景として、働き方改革の推進が挙げられます。
リモートワークやテレワークなど、ワークスタイルが多様になった現在は、オフィスだけでなくさまざまな場所で働く人も一般的な光景になりました。一方、家で働く場合は集中しづらく、作業効率が落ちることも珍しくありません。「少しでも集中できる環境がほしい」「家と仕事場を分けたい」という考えから、コワーキングスペースの需要が高まっています。
ここでは、コワーキングスペースのメリットを3つ、デメリットを2つ解説します。
メリット1:作業に集中できる環境が整っている
コワーキングスペースはカフェのような雰囲気で過ごせる一方、利用者は仕事・勉強に集中しています。まったく音のない静音状態ではなくとも、カフェのように周囲の声が気になることは少なくなるため、作業に集中しやすくなるでしょう。
また、自宅で1人で仕事をしていると、オン・オフの切り替えがうまくできず、怠けてしまうことは珍しくありません。コワーキングスペースのように仕事・勉強に取り組んでいる人が周囲にいることで、緊張感を保ちながら集中することができます。
メリット2:初期費用を抑えられる
コワーキングスペースの料金は施設ごとで異なるものの、一般的な賃貸オフィスを利用する場合に比べると、初期費用を大幅に抑えられるでしょう。
たとえば、マンションの1室を仕事場にしたい場合、賃貸料や通信設備費などがかかります。立地によっては数十万円かかることもあり、大きな負担につながりかねません。しかし、コワーキングスペースは月額の利用料だけで仕事場が確保でき、初期費用は入会金+初月の利用料のみとする場所が多いため、経済的な負担を抑えることが可能です。
メリット3:ビジネスチャンスが増える可能性がある
コワーキングスペースは、副業に取り組む会社員や起業家などさまざまな人が利用する施設であるため、ビジネスチャンスが増えることも大きなメリットです。
同業種の人はもちろん、関わりのなかった異業種の人とも交流ができれば、情報交換を通して自分の視野を広げることにつながります。また、時には協力して仕事に取り組むケースもあるなど、新しい出会いが生まれることも多く見られます。
デメリット1:曜日や時間帯によっては集中しづらい場合がある
コワーキングスペースは集中できることがメリットであるものの、曜日や時間帯によっては集中することが難しくなる場合もあるでしょう。
施設によって人が多くなる曜日・時間帯は異なり、満席ではなくとも人が多い場合、話し声がより大きくなる可能性があります。利用する曜日や時間帯がある程度決まっている人は、利用する予定の曜日・時間帯に見学に行くと、混雑度合いなどがイメージしやすくなるためおすすめです。
デメリット2:セキュリティ面のリスクが高まる
コワーキングスペースのデメリットとして、セキュリティ面でのリスクが高まることも挙げられます。コワーキングスペースは、多数の人が出入りするオープンスペースであるため、パソコンの盗難・紛失が発生する可能性は0ではありません。また、パソコンの画面をつけたまま移動すると、画面を覗き見されるといった危険もあります。
コワーキングスペースを利用するときは、セキュリティ面をより気にかけるようにしてください。
コワーキングスペースの選び方3選
コワーキングスペースは打ち合わせといった使い方だけでなく、イベント会場としてイベントを開くこともできます。上記のようにさまざまな使い方をしたい場合は、コワーキングスペースをしっかりと使いこなせるよう、選び方を把握しておきましょう。
ここでは、コワーキングスペースの選び方を3つ紹介します。
料金システム
1つ目の選び方は、料金システムから選ぶ方法です。料金システムは基本的に「月額制」「ドロップイン」の2つから成り立っているものの、中には定額制を「土日祝限定プラン」のように細かく分けている施設もあります。自分の利用頻度に合う料金プランがあれば、必要以上にお金を払う必要がありません。
なお、安さだけに注目してコワーキングスペースを選ぶのは避けましょう。料金が極端に安いコワーキングスペースでは、設備が不十分といったケースも想定されるためです。
立地
2つ目の選び方は、立地から選ぶ方法です。自宅から通いにくい場所にあるコワーキングスペースでは、到着するまでに時間がかかる上、移動の負担が発生します。なるべく自宅から近い場所を選ぶと、余分な負担もなく仕事に取り組めます。
また、法人登記をする場合にも立地は重要です。土地のブランド力がある場所を名刺に記載すれば、取引先などに安心感を与えることにつながります。
雰囲気・利用者層
3つ目の選び方は、雰囲気・利用者層から選ぶ方法です。若者が多いところもあれば40代以上の人が多いところもあるなど、各コワーキングスペースによって利用者層は異なります。特に他の利用者と交流を図りたいと考えている人は、雰囲気や利用者層などを見学時に必ずチェックしましょう。
なお、施設によってはカフェ感覚で利用する人が多いところもあります。集中したい環境を求めている場合は、なるべく静かな雰囲気のコワーキングスペースを選ぶことがおすすめです。
シェアオフィスとコワーキングスペースを使い分ける方法
先述の通り、シェアオフィスとコワーキングスペースは利用目的や機能面で重なる部分も多く、業界内でも明確な区別はつけられていません。ですが、コワーキングスペースの場合、利用する客層から見ても、コミュニティ形成やコラボレーションなどに向いている特徴があります。
したがって、たとえば日常的な製作や開発などの作業を集中して行いたい場合は、普段は月額プランで契約しているシェアオフィスを利用し、時にはコワーキングスペースのドロップインで飛び込み利用をするといった使い分けをしてもいいでしょう。
レンタルオフィスについて
レンタルオフィスは、フロアの一部を借りるオフィススタイルです。シェアオフィスが個人事業主やフリーランス、スタートアップ企業などに適しているのに対して、レンタルオフィスは10名以下の組織や会社に向いています。
レンタルオフィスは個室であるため、コワーキングスペース利用時のように、周囲の賑やかな声や音が気になることはありません。また、仲間との共創などをする場合は、応接室や会議室でミーティングを行うことも可能です。
仕事の備品を置くこともできるため、デスクトップのパソコンや業務資料が多い企業にもおすすめの選択肢となるでしょう。レンタルオフィスの利便性については、以下の記事をチェックしてみてください。
レンタルオフィスでは「会議室」の有無が重要!
レンタルオフィスの利用を検討している人は、会議室があるかどうかをチェックしましょう。
打ち合わせや商談で来客対応が多くなる場合、会議室がないレンタルオフィスでは、共有スペースで打ち合わせや商談などをしなければなりません。機密性の観点から考えると、共有スペースでの打ち合わせや商談の実施はリスクがあります。訪問客からの信用を下げることも考えられるため、レンタルオフィスを選ぶ上で会議室の有無は重要なポイントです。
まとめ
当記事では、コワーキングスペースの概要に関して、メリット・デメリットなどを中心に解説しました。
コワーキングスペースにはさまざまなメリット・デメリットがあるため、それぞれを把握した上で利用する施設を決めましょう。複数の施設をリストアップし、実際に見学をして雰囲気を確認することがおすすめです。
レンタルオフィスを利用する場合は、天翔オフィスをご検討ください。駅チカで設備が充実しているだけでなく、会議室を無料で利用できるなど、オフィスを構えたい人に嬉しい機能が充実しています。