起業するときのオフィスの選び方【代表的な5種類を比較】

事業を軌道に乗せるためには、どのようなオフィスを選ぶかも重要なポイントです。では、オフィス選びは、どのようなポイントに注目すべきなのでしょうか?
ここでは、起業するときのオフィスの選び方を解説します。代表的な5つの特徴やメリット・デメリットを比較していますので、これから事業を始められる方は、ぜひオフィス選びの参考にしてください。
起業するときのオフィスの選び方
オフィスを選ぶときは、以下の項目に注目しましょう。
1. 費用
オフィスの利用には、契約時の初期費用や、毎月の賃料などのランニングコストがかかります。料金は立地(坪単価)やオフィスの規模などによって変わりますが、ほとんどの場合、起業初期は資金が潤沢にあるわけではありません。そのため、いかにして固定費を抑えるかは、会社に少しでも多くのキャッシュを残すための重要な課題です。起業初期は賃料を少しでも抑えるために、賃料の安いレンタルオフィスやシェアオフィスなどを選択するのも良いでしょう。
2. 広さ
1人辺りのオフィスの広さは、平均して3坪~5坪といわれています。必要となる面積は事業によって変わります。たとえば、弁護士など書類や書籍の保管にスペースを使う場合、オフィスにある程度の広さが必要です。
3. 立地
事業を進めるうえで、立地条件はとても大切な要素です。そのエリアのネームバリューやアクセスのしやすさ、取引企業の数などを考慮して決定しましょう。
4. 機能性
オフィスの間取りやトイレの有無など、機能性が高くなれば仕事の快適性も高まります。長時間オフィスにいる必要がある仕事の場合、オフィスの機能性は注目すべき項目となるでしょう。
5. 法人登記の可否
賃貸物件の中には、法人登記ができない契約になっている物件もあります。たとえば、居住するためだけのアパートやマンションは、契約書に法人登記ができない旨が記載してあるのです。実際に法人登記ができるかどうかは、大家さんと相談する必要があります。
法人化を考えている方は、スムーズに事業を進めるためにも、法人登記が可能なオフィスを探しましょう。
起業するときのオフィスの種類
起業時のオフィスのスタイルは、以下の5種類に分けられます。
それぞれの特徴を掘り下げてみましょう。
賃貸オフィス
特徴
信頼性も高く、融資などに有利といわれています。
規模が大きくなってきた会社におすすめです。
○ メリット
オフィスレイアウトをある程度自由に設定できる
- オフィス備品を自社で決められる
- 情報漏洩のリスクが低くセキュリティを高められる
- 人数が多少変動してもオフィスの賃料が変わらない
- 通信機器の使用が自社のみなので速度制限がかかりにくい
× デメリット
- 初期費用が高い
- 少人数ではコストパフォーマンスが悪くなる可能性がある
- 備品を自社で集めなければならない
- 条件に合うオフィスを探すのが難しい
- 移転が大変
レンタルオフィス
特徴
フロアの一部をレンタルするスタイルのオフィスです。
10名以下など、小規模で広いスペースを求めていない場合に利用しやすいです。
○ メリット
- 賃貸オフィスよりも初期費用と維持費を抑えられる
- 好立地な場所を借りることができる
- 個室なので仕事の備品を置いておける
- デスクやチェアなど最低限の備品が置いてある場合がある
- 通信費や水道光熱費などが費用に含まれている
- 会議室や応接室が利用できる
- 小規模なので賃貸オフィスよりも移転が容易
× デメリット
- 多人数で利用すると割高になる可能性がある
- 個室だがフロア内に別企業が在籍しているので情報漏洩のリスクがあり、セキュリティ管理が必要
- ネットワーク通信が共有のため通信速度が遅くなるリスクがある
シェアオフィス
特徴
フリーアドレスや固定の席を利用できるオフィス。個室ではなく、オープンスペースで仕事を行います。
フリーランス(個人事業主)やスタートアップ企業におすすめです。
○ メリット
- 少人数ならレンタルオフィスよりも安価にオフィスを借りることができる
- フリードリンクが設置してあるところが多い
- 高価なオフィス機器を活用することができる
- オフィス備品もまとめてレンタルができる
- 通信費や水道光熱費が費用に含まれている
- 移転が容易
- 他のビジネスマンとつながりができる可能性がある
- 会議室が設置してある
- 自分がオフィスにいなくても電話やFAXを対応してくれるサービスがある
× デメリット
- プランによっては固定の席で作業ができない
- オープンスペースなのでセキュリティ面や情報漏洩に不安がある
- 固定回線などが必要なビジネスに不向き
- ネットワーク通信が共有のため、通信が遅くなる可能性がある
バーチャルオフィス
特徴
住所や電話などを置くことができるオフィスで作業スペースがありません。固定のオフィスは必要なく、会社の住所や固定電話が必要な方におすすめです。
○ メリット
- 安価に会社の住所を好立地な場所にできる
- 自分が会社にいなくても電話やFAXなどの対応をしてもらえる
- 自宅の住所をビジネスに使う必要がなくなる
× デメリット
- 許認可が取れない業種がある
- 固定回線が必要な業種には向かない
- オフィスでの作業がある方には向かない
- 信頼に欠けてしまうという意見もある
自宅 兼 オフィス
特徴
自宅の一部、または住居と兼用したオフィス。価格を抑えながら、賃貸オフィスに類似した機能性があります。
○ メリット
- 通勤に時間がかからない
- シェアオフィスに比べるとセキュリティ面で安心
- オフィス費用が抑えられる
- 契約や移転などの時間を取られない
- 家にある備品を活用できればオフィス機器を購入する必要がなくなる
- 家賃や通信費や水道光熱費を経費として計上できる
- 仕事の時間に融通が利く
- 家事や育児を両立しやすい
× デメリット
- 公私混同する可能性がある(メリハリがつきにくい)
- 賃貸だと法人登記できない可能性がある
- 自宅にない設備投資は実費で購入する必要がある
まとめ
オフィスの選び方は、仕事内容や事業によって変わります。首都圏を中心に、レンタルオフィスやシェアオフィスが増え、小規模ビジネスを始めやすくなりました。まずは、どのような環境が必要かを入念に計画し、適したオフィス環境を整えていきましょう。