レンタルオフィスでも経営管理ビザは取得できる!取得可能な条件とは
投稿日:2020年10月14日
更新日:2025年11月19日

日本に在留する外国人が日本で起業する場合、必要になるのが経営管理ビザです。経営管理ビザは、「本邦において貿易その他の事業の経営を行いまたは当該事業の管理に従事する活動を行う外国人に付与される在留資格」となります。
この経営管理ビザは、実はレンタルオフィスなどでも取得が可能です。しかし、レンタルオフィスならどこでもいい、というわけではありません。レンタルオフィスで経営管理ビザを取得しようとする場合には、経営管理ビザの取得に適した物件を選択することが重要です。
当記事では、新しい許可基準の全体像、レンタルオフィス利用時の注意点、更新の経過措置、ビザ取得に適したオフィスの条件を分かりやすく解説します。
目次
【2025年10月より厳格化】経営管理ビザとは?
日本に外国人が在留するためには、在留資格が必要となります。在留資格にはいくつかの種類がありますが、このうち「経営管理」という資格を一般に「経営管理ビザ」と呼びます。
2025年10月から経営管理ビザの基準は大幅に厳格化され、事業規模や経営者の経歴、日本語要件などが以前より明確に定義されました。ここからは、改正内容を踏まえつつ、経営管理ビザの基本的な仕組みと取得に必要となる主な要件について解説します。
経営管理ビザで求められる事業の規模
経営管理ビザで求められる事業規模は「500万円以上」という基準から、「3,000万円以上の資本金等」が必要とされる新基準へと変更されました。
資本金等とは、法人の場合は株式会社の払込済資本金の額、または合名・合資・合同会社における出資総額を指します。一方、個人事業として申請する場合は、事業所の確保費用や常勤職員1年分の給与、設備投資など、事業運営に必要な資金を総合した投下額が基準になります。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」/ https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html)
経営管理ビザで必要になる事業計画書
経営管理ビザでは事業計画書の提出が求められますが、従来はその内容を誰がどのように評価するかという規定はありませんでした。しかし、新基準では計画の具体性・合理性・実現可能性を客観的に判断するため、経営に関する専門的知識を有する者による確認が必須となりました。
評価を行えるのは中小企業診断士や公認会計士、税理士といった専門家であり、これらの者が事業の妥当性をチェックします。なお、弁護士や行政書士以外が報酬を得て官公署提出書類を作成すると行政書士法違反となる恐れがある点にも注意が必要です。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」/ https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html)
経営管理ビザで雇用義務がある常勤職員数
経営管理ビザでは、新基準により常勤職員を1人以上雇用することが必須要件となりました。従来は常勤職員数に関する明確な基準がなく、資本金規模や事業の実体性から総合的に判断されていましたが、改正後は具体的な人数要件が明示され、事業の継続性や雇用創出の確実性がより重視されています。
「常勤職員」とは日本人のほか、永住者や日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者といった在留資格を持つ外国人が対象です。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」/ https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html)
レンタルオフィスでも経営管理ビザは取得できる?
レンタルオフィスでも経営管理ビザの取得は可能ですが、2025年10月以降は事務所の実体性や業務継続性が厳しく確認されます。ここからは、ビザ取得に必要となる事務所要件を踏まえ、レンタルオフィス利用時に注意すべきポイントを解説します。
事業の継続性がある物理的基盤が必要になる
経営管理ビザの申請では、まず事業を継続して行うための物理的基盤が確保されているかが審査されます。独立した事業所が必要とされるため、住所のみを貸すバーチャルオフィスは物理的拠点がないため原則認められません。
また、シェアオフィスのように不特定多数が出入りし、入れ替わりの激しいオープンスペースも継続的に占有していると判断されにくく、経営管理ビザの事業所としては適格性が低いとされています。事業の実在性を示すには、法人名義で使用目的が「事務所」等と明記された契約を結び、机・椅子・パソコンなどを備える必要があります。
1人以上の常勤職員を雇用できる面積が求められる
経営管理ビザの新要件として常勤職員を1名以上雇用することが義務化されたため、事業所には「複数人が実際に働けるだけの面積」が必要になります。これにより、これまで多くの申請者が利用していた1人用のレンタルオフィスや、最低限の机と椅子のみが置けるサイズのスペースでは、常勤職員の業務スペースを確保できないとして不許可となる可能性があります。
審査官は、申請者と常勤職員が同時に業務を行えるか、必要な設備が配置できるかといった事業運営の実態が伴う広さを重視します。そのため、これからは「複数席を配置できる面積」や「職員が常勤で働くのに支障がない環境」を備えたレンタルオフィスを選ぶ必要があります。
事務所としての独立性が必要になる
新基準の経営管理ビザでは、事務所としての「独立性」がより厳格に求められるようになりました。自宅と事務所の兼用が原則として認められず、事業のために明確に区分された専用スペースを確保する必要があります。レンタルオフィスを利用する場合も、壁や扉で仕切られた完全個室タイプでなければ事務所として認められません。
オープンスペース型や簡易パーティションで区切られたブース型は、独立性が不十分として不許可になる可能性が高いため注意が必要です。また、外部から見て事業所の存在が確認できるよう、法人名の看板やプレートを設置することも必須条件です。契約名義は法人名義で「事業用」として締結されていること、個別ポストや電話などの設備が整っていることも求められます。こうした条件を満たすことで、レンタルオフィスが事務所として認められるでしょう。
レンタルオフィスを使って現在の経営管理ビザを更新するときの注意点
経営管理ビザの基準厳格化に伴い、既存のビザ保持者には最大3年間の経過措置が設けられています。2028年10月16日までに更新申請を行う場合、新基準を満たしていなくても、経営状況が良好であり、法人税や社会保険料などの納税義務を適切に履行していること、さらに今後基準を満たす見込みがあれば更新が認められる可能性があります。ただし、審査では専門家による事業評価書の提出を求められる場合があります。
一方、3年経過後の更新は新基準への適合が必須となるため、現在レンタルオフィスを利用していて基準を満たせない場合は、早めに常勤職員の配置が可能なオフィスへ移転することが重要です。基準に合わない環境のままでは更新が難しくなるため、経過措置を踏まえて逆算してスケジュールを立て、計画的に対応することをおすすめします。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」/ https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html)
レンタルオフィスを利用するメリット
レンタルオフィスでも、設備や環境によっては経営管理ビザの取得要件をクリアできます。では、レンタルオフィスを利用するにあたって、どのようなメリットがあるのでしょうか。
月額の賃料が安く済む
通常の賃貸物件に比べて安価に済むことがメリットとして挙げられます。資金面に余裕がないスタートアップの段階や、まず事業を始めたい場合は、こうした点は特に大きな魅力になります。
好立地にオフィスを構えることができる
本来なら家賃の高い好立地の場所でも、気軽にオフィスを構えやすいことも、レンタルオフィスのメリットです。固定費にあまりお金を使いたくないものの、交通の便のよい場所に事業所を構えたい場合にも、レンタルオフィスは有力な選択肢となります。
他の入居者とのコミュニケーションをとる機会が得られる
レンタルオフィスの場合、近い立場で事業主として働く人が複数入居していることもあり、入居者同士の横のつながりができやすい環境と言えるかもしれません。
レンタルオフィスの利用を検討されている場合の注意点
さまざまなメリットがあるレンタルオフィスですが、利用する上でいくつか注意すべき点があります。たとえば、周囲の騒音を気にする方には、レンタルオフィスは向かないでしょう。レンタルオフィスは、多くの人が出入りすることが前提となっているためです。
また、完全個室ではないブースタイプの場合、重要な個人情報を多数扱う仕事に適さない傾向があります。一方、ライターやデザイナーなどのクリエイティブ系の職種には根強い需要があります。
厳格化された経営管理ビザ取得・更新に天翔オフィスが役立つ理由
経営管理ビザの審査が厳格化される中で、レンタルオフィス選びは事業の実在性・信頼性を証明する上で極めて重要になりました。入管当局はいわゆる「ダミーオフィス」を強く警戒しており、住所のみを利用した場合や独立性の乏しい施設の場合は不許可リスクが高まります。その点、天翔オフィスは全拠点が完全個室で、法人名義での契約や看板表示、事務所設備の完備など、実在性を示す要件を満たしているため、レンタルオフィスでも経営管理ビザ取得に適した環境が整っています。
また、新基準で常勤職員の配置が必須となることから、1人用ではなく複数名で利用できるオフィスを利用する必要があります。天翔オフィスなら、2名以上で活動できる広めの部屋へもスムーズに移転が可能です。複数人対応の個室をリーズナブルに確保できる点も、大きな強みと言えます。経営管理ビザ取得・更新ができるレンタルオフィスをお探しの場合は、天翔オフィスをぜひご検討ください。
まとめ
経営管理ビザは2025年10月から大幅に厳格化され、資本金の増額や、経営経験・学歴・日本語能力の条件追加、常勤職員の雇用、事業計画書の専門家確認など、これまで以上に「実在性」と「継続性」が重視されるようになりました。レンタルオフィスを利用する場合でも、独立性のある事務所であること、職員が働ける十分なスペースがある必要があります。
天翔オフィスでは、経営管理ビザの取得に適した独立性の高いオフィスを提供しております。また、経営管理ビザの取得については、下記の行政書士様が支援しておりますので、ぜひご相談ください。
行政書士法人会社設立エクスプレス
行政書士法人SGX
株式会社パシフィック・ギャランティ
行政書士法人東京総合行政事務所
カーライル行政書士事務所
行政書士法人Japan Expert Immigration Law Firm
MIRAI行政書士事務所 (大阪)


